ウクライナ軍 ポーランドMASKPOL社製WZ2005ヘルメット
ウクライナATO装備用にポーランド製WZ2005を入手したので、今回は簡単なヘルメットの解説と個人的な着用感について記事に起こそうと思います。
さて東部内戦が勃発していこう、元々ボディアーマーやヘルメットの供給率が低く、既に配備されていたKaska-M、Kaska-1Mもケブラーが劣化していて性能不足、さらに臨時編成したボランティア大隊(現在は国防省機械化歩兵大隊だったり、内務省国家親衛隊だったりに編入、改編)の将兵に支給するために大量のヘルメットが必要になったのは話題になりましたね。
WZ2005が他の海外製ヘルメットと違う点はポーランドから正式に援助されている軍用品の1つということです。
ウクライナATOで多数使用されている海外メットとしてはM826やMk6がありますが、これはオルガルヒや民間支援団体がかき集めたものなので、826は大量に入手できたようですが、それ以外のヘルメットは結構個数が疎らだったようです。
一方WZ2005は正式支援ゆえにかなりの個数が手に入ったようで、現在に至ってもウクライナ製ヘルメットと混じって見かけることは多々あります。
さて今回入手したモデルはMASKPOL社の後期型モデルになります。
前期型との大きな違いはチンストが4点に変更されているので、後頭部のクッションパッドとヘルメットの後ろの方にチンストを止めるボルトが1個追加され、チンストの配置が変わったので後ろのボルトは4個目ボルトと対象になる位置にかわりました。
ちなみに本家ポーランドでは2010年頃を境にこちらのモデルが支給されているようですね。
ちなみに、ウクライナに供給されているモデルは後期型なので、ウクライナ用には後期型がベストですね。
援助開始が2014年なので当然といえば当然ですが。
余談ですが、公式援助はしている一方で、どうやら民間団体等がウクライナATO向けにポーランドからウクライナへ持ち出すことはNGになったようです。
ゆえにポーランド製装具はかなり使われていますが、ほとんどが公式支援品なのでKmw-01やWZ2005ばかりで、それ以外は意外とマイノリティだったり。
シェルは”つば”のラインがヘルメットの両サイドまで続く独特な形状です。
全体的にM826のような流線型な形状ですが、それでいて特徴的ですね。
ボルトは前期型が3個に対して後期型はチンストが4点になったので、上記の通りボルトが4個になっています。
※左:WZ2005 右:M826
内装はM826と似たハンモックタイプの洗脳装置のようなライナーを備えています。
頭をガッシリと包み込むようなライナーなので着用感は一般的に良いと言われているのですが、浅被りになったり、高さ調整がライナーを取り外さないとしにくかったりと個人的にはあまり好きなライナーではありません。
※左からPASGT、WZ2005、M826(全てMサイズ)
またM826のMサイズはライナーが大きい分、実際のシェルのサイズは諸外国製メットのMサイズ以上の大きさがあるのですが、WZ2005はシェルがMサイズ相当なので実際はMサイズ以下のサイズになっています。
なので、ぶっちゃけキツイです。
Mサイズ相当が適正サイズの人はワンサイズ大きい物を選ぶほうが良さそうですね…
これまたライナーの関係で深かぶりできないので、トップヘビーかつ窮屈になってしまいます。
チンスト自体の調整は自由がとてもききます。
クッションパッドの調整はかぶりながらはできませんが、左右のチンストはかぶりながら絞めることができるので調整は随分と楽です。
ここらへんの使い勝手はM826に似ている気がしますね。あちらは3点チンストですが。
さてといった具合で色々と着用感にケチつけていますが、”私の頭とサイズが合わない”がゆえで実際はウクライナ製メットに比べればかなり高性能といって間違いはないと思います。
現在はKaska-1m(新)の供給がかなり進んでいるウクライナ軍、内務省ですが、それでも今だに姿を見かけるので、しばらくは同軍で採用され続けそうです。
ウクライナの中でマジョリティなヘルメットの1つなので、ATOをするならばウクライナ製メットや826と合わせて持っておいて損はなさそうですね。
さて最後に余談ですが、WZ2005の前期型はグルジアでシレッと使用例があったり。
2008年南オセチア紛争時のゴリでの写真だそうで、おそらくは憲兵かと思われます。
左の兵士がWZ2005らしきヘルメットを被っていますね。
この写真と別カットの数枚以外で使用例は見たことはありませんが、ポーランドもグルジアとは反露姿勢の強い盟友でもあったので、あまり多くはないながらも輸入していたのかもしれません。
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