映画感想『バイオハザード:ヴェンデッタ』※ネタバレ有り

色々と現実逃避したい今日この頃なのですが、やらなければならない作業の合間の休憩にとバイオハザード:ヴェンデッタをAmazonビデオでレンタルして見てみました。
ところでAmazonプライムは便利ですね。Netflixと合わせて使っているのですが、この2つの配信サイトを登録していれば私が見たい作品は大体網羅出来ていて映画やアニメを見る事に充実しています。
特にNetflixと違って、ビデオ見放題以外に色々と多機能なAmazonプライムは使い勝手が良いですね。


ネタバレ含みます!


さて本題ですが、私はもともと3D CG(要はゲーム)のゾンビがとても好きでしてちょこちょこゾンビゲームを買って遊んでみたり、ArmA3でゾンビMod入れてミッションを作ってみたりしていました。

そんな私ですから当然バイオハザードも好きでして、プレイしてみたりプレイ動画見てみたり、ものによっては小説を買って読んでみたりしたものです。
そんなわけですから、実写ではないゲーム原作のバイオハザードの映画って毎回それなりに楽しみに見てたりします。
ただ、ゲームのバイオハザードの脚本がシリーズを重ねるごとに残念になっているように、アニメ映画のバイオハザードもお世辞にも脚本がよく練られているな...とは思えなかったり。※でもリベレーションズはとても良かったですね。
特にダムネーションは最初の1回はとても面白かったのですが、回数を重ねてみるごとに得体のしれない違和感まみれの作品でどうも面白いと思えなくなり残念に感じた物です。

アニメという特性上、脚本等よりも演出や絵的な派手さが優先になるのは分からなくもないですが、リソースは有限とはいえ両立してほしいと思うんですよね。


そんな不安感を抱きながら、3作目のバイオハザード:ヴェンデッタを見てみたわけです。

結論から言えば私の不安感は的中し、個人的に3作のアニメ映画の中で一番面白くないと思ってしまったわけなのですが、一般的には高評価を獲得しているようですので、あえて面白くないと感じたマイノリティである私の感想をブログのネタにしてみようと思った次第です。

では冒頭からですが、メキシコ軍特殊作戦群(Cuerpo de Fuerzas Especiales)にBSAAのエージェントであるクリスを加えた特殊部隊がBOWを扱う武器商人であるグレン・アリアスに捕らえられたエージェントであるキャシー及び、彼女の息子であるザックの救出に向かう場面から始まります。

軍装クラスタ的には現実とは装備が違うのでしょうが、メキシコ軍特殊部隊が出てくるなんてちょっと芸が細かいななんて感激していました。個人的には特殊部隊なのだからシコウアトルに何かしらアタッチメントをつけるところまで凝ってほしかったですが、まぁそこはあまり重要ではないでしょう。


BSAAに協力しているエージェントの救出任務だそうですが、作戦を主導するのはメキシコ軍のようですね。様子を見た限り、あくまでクリスはBSAAのアドバイザーとしての追従なのでしょうか?
メキシコ軍も投入した部隊が特殊部隊ですから戦闘力は高いでしょうが、BSAAエージェントが拉致されている事に合わせてBOW戦闘が想定されている事例ですからBSAAの要員も参加したのですかね?(おそらくそこら辺は考えてなさそうな気がしますが)


さてこの洋館の場面ですが、結構評判はいいようです
私的には先が読めすぎてホラー感がまったくなかったので、この序章は面白みがなかったです。
気持ちを文字におこせば「どうせ特殊部隊全滅して、クリスだけ生き残るんだろうな」って感じなのですが、結論から言えばビンゴでした。

お約束の展開と言えば聞こえがいいですが、ワンパターンだなというのが素直な感想です。


さて、ではこのワンパターンな展開ですが見せ方の工夫が感じられるかというと、そうでもないというのが私の抱いた印象です。
特殊部隊の割には緊張感の欠片がないなと感じされるメキシコ軍特殊部隊です。BOW戦が想定されているであろう状況で血まみれの少年に対して警戒を解いたり、2階建ての建物で上階で銃声が鳴り響いている中で、やはりやや緊張感が欠けていたりと実は特殊部隊ではないのでは?と疑ってしまいます。
どうもシナリオの都合がキャラクターが動いているなという感じを抱いてしまいました。
つまりは「警戒している特殊部隊が全滅する...ではなく、全滅するために警戒を緩めている」とでもいった印象でしょうか。
バイオの特殊部隊なんてそんなものだと言われそうですが、そんな強引な理由付けされてもと思う私です。


まぁ何が言いたいかと言うと芸のない演出だなと。

かといって、こういったとにかく殺しとけ的な展開はアニメ版に限った話ではなく、ゲームでも見られる傾向ですので、これは私がバイオハザードらしい演出に食傷気味になっているとう点が大きいのかもしれません。
ただ、私は「細かいデティールにこだわらなければ良作は出来ない信者」ですので、細かい行動にも説得力のある展開が欲しいのです。
この冒頭は主にメキシコ軍特殊部隊の全滅するまでの演出に説得力を感じられませんでした。


さて、彼が関わった部隊はほぼ必ず全滅するというジンクスに新たな1ページを加えてしまったクリスですがキャシーは既にゾンビ化させられ、メキシコ軍は全滅し、アリアスとの戦いには負けるという負けっぷりを披露してくれます。
個人的にはBOWの専門家が付いて行ったにも関わらず配下の部隊を全滅させられてしまったメキシコ軍はBSAAにいい顔しなさそうだななんて思ってみたり。
バイオ6で部隊を2回も全滅させた彼ですが、いつか彼が部隊の仲間を守るために行動し、部隊を守り切るところを見てみたいものですね。

※冒頭に特殊部隊を全滅させるお約束展開に妙な違和感を感じたのはバイオ6での経験を踏まえたクリスという物を感じさせてくれなかったからかもしれません。


さぁ冒頭の特殊部隊が全滅するというシーンにここまで違和感を抱く人間は私くらいでしょうから、話を続けると洋館でのひと悶着の後に、今回の悪役であるアリアスさんの過去を匂わせる演出が入ります。
この時点で「愛していた人が殺される→復讐で世界にバイオテロ」という大筋が把握できるのですが、思った以上に捻りの無い、よく言えば王道、悪く言えば陳腐化した構造となっています。
元々復讐ものであることはアナウンスされていましたが、個人的にはもう少し捻りがほしかったところです。

次は今回のヒロインポジションであるレベッカ教授の登場シーンです。
結構な年齢になっている彼女ですが、中々良いモデリングで若すぎず、かといって老けすぎず好印象でした。いや、ぶっちゃけ童顔の彼女が好きでバイオハザード0を買った身としては年齢を重ねたレベッカに若干ショックではありました。
また、出てきた瞬間に「あっ、こいつ死ぬな」と思わせてくれるポストドクターのアーロン氏。バイオハザードはキーパーソン以外のキャラクターは主人公と接触すると死亡フラグが立つという特徴を彼も回収してしまったわけで。
ところで私がリベレーションズが好きな理由はポンポンキャラクターを殺さないところなんですよね。
バイオ6もそうですが、そこでそのモブを殺す必要ってある?というくらい主人公と出会った人々は死んでいきます。
ゆえに如何にも死にそうなキャラがこぞって生存したリベレーションズのバイオらしからぬ所が気に入ってたりします。
さてアーロン氏の件で話を広げてしまいましたが、個人的には大学でのパンデミックは特に悪いシーンではなかったような気がします。
欲を言えば腐っても元特殊部隊出身なわけですから、もう少しレベッカの活躍するシーンが見たかったですが。特殊部隊出身の割には、か弱い乙女感が強いような印象です。
まぁブランクも非常に長いわけですから、そこら辺は割り切りべきなのかもしれません。


所でこの作品の全体的な傾向なのですが、描写される人が凄く少ないんですよね。
個人的には車両の数だけ不自然に多く感じて違和感を感じてしまいました。


さて戦闘要員であってウイルスの専門家ではないクリスの特権で隔離されなかったレベッカですが、やはりここでも今作のクリスは、プロらしさをイマイチ感じませんね。
「もし感染してたら今頃発症してるから今発症してなければ大丈夫」という最高に安直な理由で隔離しなかったようですので、テロリストの皆様方が遅延性のウイルスも一緒に撒いていたら最高に大変な事になってしまいそうです。
ましてやクリスは今回の件が、また新しいタイプのウイルスである可能性があることくらいはメキシコの一件で頭に残ってそうですので、むしろ「どんなウイルスか分からんから警戒しておこう」的な警戒心を持っていそうですが。


隔離されているレベッカと話しているシーンが絵的に面白くないのは分りますが、腐ってもタイトルはバイオハザードなわけですから、多少つまらなくてもソレらしい描写が欲しい物です。
別に「隔離されてチェックされた後ですよ」というのを伺わせるような会話を加えてくれるだけでもいいのになと。


さてレベッカを連れてレオンにお話を伺いに行こうという事になった一同は、オスプレイを飛ばします。
ちなみに、ここで大学のシーンでもチラッと出てきたちょい役たちが出てきます。
この後もちょい役です。正直、皆死ぬと思ってましたが幸運にも私の予想は皆ではないという形で外れてくれました。※とにかく片っ端から死ぬ描写に食傷気味な私です。
ぶっちゃけモブ顔名無しBSAA隊員でも全然問題ないくらいちょい役です。


肝心のレオンですが、バイオ6のクリスのように飲んだくれになっています。
飲んだくれるには勿体ないような小綺麗なお店で、よく言えば王道悪く言えば陳腐化(2回目)した理由でダウンしていたレオンです。
要は先の任務で自分の同僚とSWAT隊員がたくさん死んでしまったとのこと。
バイオ6で部隊を2度も全滅させて心を摩耗した経験のあるクリスがレオンの心を溶かすのかと思いきや、ただただ怒鳴り散らすばかりでだんだんとバイオ6の経験が生きているのか不安になってきました。このシーンでめちゃくちゃ適任だな!と思ったので、クリスがどう説得するかワクワクしながら見ていたのですが...


ちなみにこのシーンでレオンが「武器商人(アリアス)と結婚式を爆撃する政府どっちもクソだ。」と仰るんですね。
私の解釈ですと、まぁたとえ指名手配犯だとしても無実の人を巻き込んで結婚式を爆撃する政府の行為も倫理に反すると彼は感じたと思うんですね。
今までの作品でも描かれていましたが、助けれそうな人は助けようとする真っ直ぐな正義感を持つレオンらしい考え方だなと。しかし後掲しますがこの考えはもろくも後の描写が崩れ落ちます。
さてトイレで無実の若い女性が殺され(この描写いるのかな?と考えてましたが、製作総指揮がホラー映画を造ってる方だと知ると、ああ「っぽい」描写だなって気がします)、レベッカが連れていかれながら、家族の助けを求める裏切った情報屋が助けを求めにやってきます。


ついでに敵さんが襲撃してきて、撃たれた情報屋が家族を助けてくれと求めながら死んでいきます。その直後に、たまたま偶然最高にタイミング良く情報屋の携帯に彼の家族から連絡があったことでレオンは飲んだくれからジョン・ウィックに復活するわけですね。
ここはもうビックリするほど捻りのないレオンが復帰する理由付けだなぁと思いました。


ちなみにこの過程でもう1人無実の女性が巻き添えでなくなります。片腕が千切れて吹き飛ぶシーンが妙に生々しくて、冒頭のメキシコ軍兵士が切り刻まれるシーンよりグロさを感じしまいました。このリアルにありそうな感じが原因なんでしょうかね?
ちなみに当然ながら、レオンとクリスはノーリアクションです。
毎度思うのですが、殺したら殺したで何かしらのリアクションを示してほしいと思うのですよね。レオンもクリスも正義感に強い男達です。無関係の市民が死んでノーリアクションというのがどうも。
ダムネーションの頃もそうだった記憶があるので、もはや私が思うレオン、クリス像がおかしいのかもしれませんが。


さて悪役が凄いサイコパスになってらっしゃるというのがよく分かるシーンが次に入るのですが、個人的には狂気キャラならもっと狂気狂気らしく描いてほしかったものです。
どうもたまーにある脚本レベルの低いB級作品の悪役のように、脚本家はサイコパスとして描いてないけど実際この人サイコパスだよな?って時の違和感になんか似ています。
このシーンのサイコパスっぷりは中々いいので、この調子が続いてくれればよかったんですが...
まぁある意味、サイコパスだって常におかしいわけではないしょうからリアルと言えばリアルなのかもしれません。

ここら辺はぶっちゃけ私の好みの問題です。普通に見てれば、こいつサイコパスってんなってたぶん理解できます。


次についにニューヨークでのテロです。

集団猟奇事件が相次いでいるわけですから、警察や軍の警戒態勢がしかれていそうなものですが、そんなに軍や警察が有能だったら話が続かないので野暮な突っ込みでしょう。どうも冒頭に細かい所が気になると、普段アクション映画やアニメを見るときに気にならない部分が気になって仕方なくなってくるんですよね。

要は兵器としてならガスって無色の方がいいよね?なんて突っ込み入れるのと同じくらい野暮なのは分ってるんです。

先のシーンからテロられた時間が警官がゾンビに応戦するシーンから夕方の18:00頃だという事が分かります。
大学でのシーンでも思いましたが、やっぱり人が少ないなと思うんですよね。だってニューヨークの帰宅ラッシュの時間ですよ?
私のイメージだと渋滞しているシーンと比べるのも悪いとは思うもののWorld War Zくらいの賑やかさがあるものなんですよね。


ところでナディア(BSAAのチョイ役)さんが「BSAAもSWATもゾンビ対応で手が空いてない(意訳)」と仰るのですが、ニューヨークってSWATないですよね。冷静に考えれば、警察系特殊部隊の総称としてもSWATという言葉が使われることは多々あるので別段おかしいわけではないのですが、もうとにかく細かい所が気になる状態に追い込まれています。
あと増援に3時間かかるとのことなのですが、猟奇事件相次いで警戒態勢があがってそうなもんですが、ニューヨークってどのくらいで州軍等が駆け付けれる物なんですかね?


ウイルスは燃料が引火する際の温度で死滅するとのことで、タンクローリーを爆破しようということに。ちなみに個人的にはこういうご都合設定は容認できるタイプです。
ここでレオンさんがバイクですれ違いざまに手りゅう弾を投げます。
まぁ明か護衛臭いバンがいるからとか色々と理由付けはあるんでしょうが、正直絵的な派手さを求めて深い事は考えてないシーンなんだろうなという印象です。
レオンさんのキャラクター的に民間人の巻き添えもやむなしというタイプじゃないと思いますし、前提の政府の結婚式を巻き添えにした攻撃にご立腹されてましたから、巻き添えを承知の上で...とかではなさそうな気もするんですよね。ただただ絵的なかっこよさ、派手さを重視したシーンなのでしょう。
ところで、ガスって引火性なんですかね?
なんでタンクローリー、銃撃受けただけでタンク部分が爆発炎上するんでしょう。
燃料も一緒につんでるんですかね?

まぁダイハード2の燃料ないはずに大爆発する旅客機みたいなものなのでしょう...


ちなみにこの過程で先のBSAAのチョイ役が1人亡くなります。
見た目は特徴的なのですが、チョイ役ゆえにキャラクター性が掘り下げられていないので最初のメキシコ兵が殺されていくのと同じくらいのショッキング度の低さでした。※BSAAは全滅すると思ってましたし
続いて速道路でケルベロスとの戦いです。このシーンは色々と他の方のレビューを見てると、気になってる方が多いみたいですね。

要するにレオンがわざわざ高速道路を戦いの舞台に選んで、戦いの過程で民間車が巻き込まれて爆発するっていうシーンなんですよね。
レオンはそれを気にもせず、高速道路で手りゅう弾を投げ標識を落とすという巻き添え被害をものともしない戦い方を続けます。
さてこの民間車のドライバーをゾンビと考える向きもあるようですが、目の前に障害物が出てきた際にクラクションを鳴らしているので生きている人が乗っているのではないでしょうか。ゾンビドライバーがタイミングよくクラクションを押したのかもしれません。


もはやレオン君は飲んだくれていた時にディスっていた政府と同じく目的のためなら民間人の巻き添え被害も辞さない男になってしまったようです。
ところで大切なのは民間人の巻き添えにする描写そのものではなく、それを容認しているキャラ性なのか、そうでないかという点ですよね。私的ながらレオンは容認しないキャラだと思っています。それがこのシーンの何ともいえない不快感だと思うんですよね。
まぁこのシーンもキャラクター性だとか、そういう細かい要素(細かくないけど)より絵的な派手さを優先したものだと私には見えました。


次にクリスさんが敵の施設に突入します。
ニューヨークのど真ん中に施設があるのも変な話ですが、アリアスは元々は、

飲料水の製造に限らず幅広い展開を行っている「アグア社」の設立者でもある。

だそうなので、そういった事を踏まえると説得力があるのかもしれません。
さて、ここからが「まるでジョン・ウィックみたい!」と好評を受けているアクションシーンなのですが、私はこのシーンがあまり好きじゃありません。ジョンウィックは好きなんですけどね。
わざわざT字路の中心で戦うレオンとクリスなのですが、どうもゾンビがT字路の真ん中らへんで待ち構えてくれてるわけなんですよね。
ここは絵的な派手さのみに焦点を絞っているかのようなシーンです。
ArmAでエディットしてる時によく感じる、面白くないユニット配置にそっくりです。

私の思った違和感を分かっていただけるように、ちょっとした図を描いてみました。
この図だけだと「レオンやクリスに寄ってきたんじゃないの?」ってお言葉を聞きそうですが、クリスが最初に突っ込ん入った時からこんな感じでした。
ジョンウィックと違って微妙だと思うのは、なんかテクニックというよりスクリプトで組まれた必然をなぞっているような行動に見えちゃったんですよね。これが3D CGってのが大きいのかもしれません。
あと、このアクションシーンって進みながら倒すシーンではなく、先の図の中心地からまったく動かないんですよ。これも違和感を感じる一要因なのかもしれません。


ゾンビとワチャワチャした後に屋上でクリスとアリアスのガンフーが展開されます。
ところでバイオハザードってアクション物だとは思うんですが、今までここまで極端な描写ってなかったと思うんですよね。
やっぱり個人的にはあまり好きになれませんでした。

さてアクションシーンが展開された後に、アリアスさんは敗北し、高層ビルから落ちます。

アリアスさんは特にウイルスなどを打って超人化していたような記憶はないのですが、なんと生きてます。凄い。
たしかにバイオハザードの登場キャラクターって頑丈だなぁって思わせるシーンは今までも多々ありましたが、いくらなんでもというのが正直な感想です。
例えばタイラントに殴られれて吹っ飛ぶってのは生きてそうとも思う描写ですが、高層ビルから落ちるのは生きてそうとは到底思えないですからね。「よくよく考えれば死ぬよな」っていう描写ではなく、「よく考えなくても死ぬよな」って所に大きな違いがあるように思います。


その後見た目は印象に残るのですが、わりとチョイ役なので言及していなかったディエゴとアリアスさんが合体します。

そしてタイラントもどきとなって、再びクリスとレオンと戦うわけですね。

まぁここら辺のアクションシーンは普通に見ていたのですが、民間車のシーンに続いてBSAAが再びやらしてくれます。

最初のトレイラーを見た時点で派手なシーンだなぁ。今回の敵はすげぇことするんだなぁ...と思った、このビルの倒壊シーンですが、犯人はBSAAでした。

ナディアさんがディエゴ&アリアスに捕まったレオンを助けるために超電磁砲を持ち出して、彼に撃ったわけですね。

それが過貫通してビル3~4棟ほど倒してしまうわけなんです。

比較するのも不謹慎ではあると思うのですが、倒壊に数時間かかったワールドトレードセンターですら3000名の命が失われたわけですから、こんな間髪入れずに倒壊したら建物の規模はワールドトレードセンターほどではないとはいえ莫大な人命が失われそうです。


夕方のテロ開始からそんな時間たってなさそうですが、どのみち増援が駆け付けていたとしてもニューヨークほどの大都市ですし、あれほどのパンデミックがおきているのですから避難が円滑に進んでいるとは思えません。ラストのシーンを見る限り軍や警察、BSAAはゾンビを鎮圧できていなかったようですし。
どうも大勢の人間が巻き添えになっていると考える方が自然な気がしてならないのが、このシーンの違和感の理由でしょうか。


ダムネーションの後の出来事ですからタイラントクラスでもATGMぶち込めば倒せることはアメリカ軍も政府も承知でしょうから、BSAAは過攻撃でお叱りを受けそうな気がします。

ところで州軍のヘリコプターや空軍に応援を要請しないんですかね?
それこそ軍の任せずBSAAが、私の懸念通り大量の巻き添え被害を出していれば、それこそBSAAの存続にかかわる問題かもしれませんね。
もしかしたらバイオ7でクリスが青アンブレラに籍を置いていたのも...
ぁこのシーンも絵的な派手さを最優先した結果に過ぎないのでしょう。

超電磁砲によって風穴あけられてしまったディエゴ&アリアスは、超電磁砲を撃ってきたオスプレイに襲い掛かります。
オスプレイに宙ぶらりんとなるディエゴ&アリアスですが、レオンは容赦なくバイクをぶつけた後にバイクを銃撃し誘爆させることでディエゴ&アリアスをオスプレイから落とそうとします。
うーん、それオスプレイも落ちちゃうだろ...ってくらい派手に爆発します。
オスプレイは生き残りますが、今までの巻き添えをものともしないレオンさんの事ですからオスプレイを助けるためではなく、オスプレイを巻き添えにする覚悟で攻撃したのかもしれません。
そうだとすると、やっぱり私の知っているレオンとは少し違うような気がします。
しかし生身で高層ビルから落ちても瀕死程度すむアリアスさんの耐久性を兼ね備えたディエゴ&アリアスさん、バイクの誘爆を受けもなお爪をオスプレイに突き立てて粘ります。


そこにクリスが決め台詞を口にしながらグレネードランチャーでとどめを刺します。
ここら辺は普通のアクション映画のラストっぽいですよね。今までが今までなので、ちょっと微妙な気持ちですが。


随分と絵的な派手さ最優先でハッチャメッチャやってきましたが、ラストはゾンビものとしてどうなんだろう…?という展開に終わります。

Aウイルスは従来のウイルスと違い宿主に与えるダメージが少ないそうでして、ワクチンを空中散布すればゾンビから回復する事が出来るそうです。元々は兵器として考えられたそうですが、ワクチンで治せちゃうって生物兵器としてはイマイチなんじゃないですかね。


さてある種ゾンビものの御法度な気がするゾンビが人間に戻っちゃうラストなんですが、まぁゾンビ物でそういう描写がないわけではないですし、バイオハザードもタイトルが増えるごとに新しいウイルス生まれてますから、中にはそんな優しいウイルスが生まれてもいいじゃないと割り切れない事もなくなもないような気がします。※100歩くらい譲って


しかし要はワクチンがあれば治すことが出来る民間人のゾンビを、劣化ジョン・ウィックで打ち倒していたわけですよね。ナディアの超電磁砲も仮に人間が全て避難できていたとしても多くのゾンビを倒壊に巻き込んだでしょう。
レオンやクリスの事ですから、治る民間人をたくさん殺したという事は非常にメンタルにくるのではないでしょうか。
私の中のレオンやクリス像なら部下の全滅よりもメンタルにきそうな気もするのですが、そういえば彼らは世界を守っても目の前の民間人を守ったことはほとんどなかったような記憶もあるので、私の理想像を押し付けているだけかもしれませんね。
しかし、どうもここが引っ掛かるせいか、最後の彼らの笑顔に「シホントニソウカナー?」という気がしてならなかったりします。


総評としてはレオン、クリスというキャラクター性、お話の整合性、細かい部分のデティールといった点はあまり重視せず、絵的な派手さを最重視した作りになっているという印象を受けました。
例えばジョン・ウィックのようなガンフーしかり、超電磁砲しかり、高速道路のチェイスはその場面だけを切り取れば派手でカッコいいかもしれません。
私はどうもカッコいい描写というものがやや一般人とズレているので(例えばガンダムSEEDだとアラスカ攻防戦が一番好き)、これらのシーンの良さが分からなかったのですが、いろいろな感想に目を通すとガンフーシーンなどは非常に好評のようです。

小説版ではキャラクターの心理描写などがより詳しく書いてあるそうですね。そちらを読めば、私の抱えている数々の違和感も解消できるのかもしれませんが、やはり面白くないと感じた映画の小説を買うには勇気がいります。例えそれが数百円程度でも...


個人的な私見なのですが、どうもバイオハザードって6くらいからアクション性に重点が移りすぎて他がおろそかになっているように思います。

バイオハザードの3作のアニメも、アニメという特性上よりそれが顕著になっているのではないかなと。


結構好評らしいので、究極的には「私の好みに合わなかった」ということなのでしょう。
ただ、やっぱり好きなシリーズですので私も面白い!と思うような続編が出てほしいというのが本音です。
しかし今作も、この方向性で成功してしまった以上...次作がぶっちゃけ不安だったりします…


もし小説版買ったら、また感想を追記するかも!


最後に書き忘れたので、追記なのですがレベッカは囚われたのヒロイン役なので活躍はまったくしなかったです。
劇中2回もあったせいか、ずっとそんな状態だったような錯覚を受けるのですが、常にウイルスに苦しんで喘いでいる印象でした。
レベッカの登場を楽しみにしていた分、残念です...





”ぐるじあん”のグルジア趣味日記

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